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ニコンのカメラ事業の正念場 ここで詰むのか?


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ミラーレスへのシフト、急激な市場のシュリンク、コロナ影響の三重苦で苦しむニコンとキャノン
特に他に基幹事業の無いニコンの状況は深刻です

 

2021年4月1日更新
エイプリールフールではありません。
最近の情報を追記します。私はニコンユーザーであり、ニコンファンなんのでやはり気になります。
良い話も悪い話もあります。

 

結論から行くと、ニコンはこのまま行くと消えると思います。
大変残念ですが、変革出来ない会社消えるのが運命です。
変わってください!
あくまで素人の意見です。

 

Z7ⅡとZ6Ⅱの実力

以前、下の記事を投稿しました。
その後、Z7ⅡとZ6Ⅱの実機評価も色々と見るようになりました。
前モデルとからは確実に改善していますが、キャノンのEOS R5、EOS R6の破壊力には全くかないません。
これは明らにメーカーとしての実力の差です。

 

www.fukuokajokei.com

 

カメラメーカーの再編

これからの市場であるミラーレス市場は先行するソニーが独り勝ち。
それ以外のカメラメーカーは市場の大幅シュリンクに加えてコロナ影響で益々厳しい状況です。

普通に考えて市場サイズに対してメーカーが多すぎる状況になってしまいました。
こうなると規模の小さいカメラメーカーはどうなるでしょうか?
オリンパスは新たにOM デジタルソリューションズとして再出発をはかります。正直先は明るくないと思います。

パナソニックや冨士フィルムはどうなるのでしょうか?
他の事業で巨額の赤字を埋めることは可能ですが、それには限度があります。
カメラが祖業で無い会社は、そこまで我慢出来ないと思います。
冨士フィルムは、ここが踏ん張りどころと考え逆に踏ん張るかもしれません。

いずれにせよ、この2,3年で大きな動きがあっても不思議ではありません。

 

 

ニコンのミラーレスの取り組み

フルサイズミラーレストップ3社のミラーレスに対する取り組みについて書いてみたいと思います。
あくまで1ユーザーの視点ですので、多少歪んでいるかも知れませんが、大筋は合っているのではと思います。

ニコンのミラーレスへの取り組は少し変わっています。

ニコンの一眼レフはF マウントと言い、基本構造が50年間以上変わらない昔からのマウントです。
ですので、大昔のニコンレンズを最新のニコン一眼レフで使用できます。
機能の制限はあるにしろ、驚きではあります。
この大昔のFマウントが今でも使用されています。

この古いFマウントは、口径が小さく、センサーまでの距離(フランジバックと言います)が長いということでレンズ設計に大きな制約がありました。

ニコンはミラーレス一眼を導入するに当り、新たに大口径かつフランジバックの短いZマウントを採用しました。
長年のFマウントの呪縛を逃れたいのです。
Zマウントの目的は、設計の柔軟性をあげて非常に高画質なレンズを作ることあります。

これはこれで良いのですが、今ニコンのミラーレスのレンズラインナップは極端です。
その大部分がS-Lineという高画質・高価格のレンズです。
ミラーレス化でせっかくボディが小さくなったのに、小型軽量で気軽に使えるこなれた価格帯のレンズはほとんどありません。
ほとんど買う人がいない凄く明るいf0.95のレンズを開発している場合ではないのです。
今後のロードマップを見ても、やはりS-Line中心でミドル以下のレンズというのはあまり開発する予定がありません。

ニコンのミラーレスカメラに、従来のFマウントのレンズをマウントアダプター経由で使うことは出来ます。
マウントアダプターを使用しろ そういうことでしょうか?
もし、そうならば、一眼レフのレンズをミラーレスにわざわざ使うことを推奨するなんて全く馬鹿げた話です。

Fマウントの制約で過去に作れなかった高画質なレンズを作ることにニコンは注力していたように感じられます。
何だか技術者のマスターベーションではないでしょうか?(笑)

それよりは、新しいZマウントを拡げ普及する為のレンズラインアップ構築を図るべきです。
ビジネスです!

より注力すべきはミラーレスカメラ本体です。
いくらレンズが良くても、カメラ本体が今ひとつらば、選ばないでしょう。
ニコンユーザーでさえ悩みます。
ニコンはこんなことも分からずカメラの事業をやっている訳です。
完全に技術者視点です。


現実的にカメラ本体の能力は他社から周回遅れになっています。
単純に人とお金を掛けて来なかったツケでしょう。
主にオートフォーカスに関るデジタル的な画像認識関連ソフトウェアが弱い印象です。

 

2021年4月1日追記
ニコンZの最大の弱点は、最近はやりの瞳AFでした。
このレポートによると、最新のファームウェアでは大幅に性能強化され、もはや弱点ではないとのことです。
ミラーレスはソフトウェアで価値が大きく変わる世界。
大きなギャップが一つ消えました。

このチャネルの矢沢隆則さんは、レースクイーンや各種ショー等の分野で有名な方で、プロの実使用観点で忖度のないレビューを見せてくれます

www.youtube.com

 

ソニーのミラーレスの取り組み

元々ミノルタの一眼レフ事業を引き継いで始めたソニーのカメラ事業です。
こう書くと失礼ですが、ミノルタの顧客基盤は大きくなく、またソニーの初期の一眼レフは正直残念なものでした。
一眼レフにつきもののミラーの振動(ショック)が大きく、シャッターを切って思わず「誰がこんなカメラ買うのか」と笑ってしまいました。

 

将来的にミラーレスに市場がシフトするのは明らかなので、ソニーはミラーレス市場に大きく舵を切りました。
ソニーが強みを出せる分野でもあります。

APS-Cから始まり、2013年にはフルサイズミラーレス。
8年近く前の話です。

その後、ラインアップを構築し、更新し続けています。
他社より5年前からフルサイズミラーレスに注力しています。
この経験の差は大きいです。
ソニーには、巨額の投資を数年間続けないと追いつけないと考えます。

 

キャノンのミラーレスの取り組み

キャノンもニコン同様にミラーレスは様子見をしていました。
確実に利益を取れる一眼レフをやる方が経営的に有利です。

しかし、潮目が完全にミラーレスに変わるとキャノンは大きな開発資源をミラーレスに投入しました。

ここがニコンとキャノンの大きな差です。
キャノンの企業体が大きいこともあります。(キャノンはイメージングの巨大企業でもあります。)
また、キャノンは近代的かつ戦略的な企業経営でも有名です。


その結果、キャノンはミラーレスのネックであり特徴であるオートフォーカス機能を劇的に向上させ一眼レフカメラ以上のものに作り上げました。

電池寿命など細かな問題あるものの、結果的にミラーレスが一眼レフを凌駕することをキャノンは示しました。
ユーザーは出来ない言い訳は必要としません。
イノベーションを実現することを強く望んでいます。
50万円を超えるカメラが結構売れています。

 

ニコンのデジカメ3番手脱却戦略

こんな記事がありました。
具体的な対策は書いていませんが、ニコンに好意的な優しい表現です。
私はニコンユーザーであり、ニコンファンなんでこんな提灯持ち記事を安易には信じません。
素人経営者のコメントなんか信じません。

 

toyokeizai.net

 

この記事に関連して気になる点が二つあります。

まずは小さな話 EVF(Electric View Finder)の見栄えについてです。
ニコンのカメラは、ユーザー使用時の感性に関わる部分に非常に気を使っています。
例えば、ファインダーの見え方やシャッター音にまで気を使っています。
一眼レフの場合、そのレベルは業界一と思います。


EVFはカメラのファインダーなのですが、小さな液晶画面です。
この見え方は実使用上重要です。

この記事では、ニコンのミラーレスのEVFは他社よりも見易いということですが、これは過去の話です。
Z6が出たタイミングで比較しましたが、色々なメーカーと比較してニコンがずっと良かったです。
そんなアドバンテージも今ではありません。
他社も大きく改善して、ここにニコンのアドバンテージはもはやありません。
唯一の強みがありません。

それを知らずにインタビューに答えさせたら可愛そうです。
都合の悪い情報は上には伝えないのでしょうね。(笑)

 

もう一つの話は致命傷になると思います。
「台数を追うことをやめた」って、では何を求めるのか?
ハイエンド商品に注力するということでしょうか?

聞こえは良いですが、逃げ口上です。

ニコンはローエンドからハイエンドまで多くのユーザーを抱えています。
未だに安価な一眼レフのD5000シリーズを沢山販売しています。

この種のユーザーを捨てると販売規模が数分の1(例えば10分の1以下)になります。
ローエンドからハイエンドまでまとまった台数を製造することで稼動益が出て、安定した収入につながります。
まだこの点はまだ良いです。

ローエンドからハイエンドまでミラーレスカメラをふるラインアップで販売しているカメラメーカーとハイエンドのみのカメラメーカーがあった場合、ユーザーはどちらを択ぶでしょうか?

後者のハイエンドに他社には絶対真似の出来ないものが有ったとしても、それが必要でない限り前社を選ぶでしょう。
普通は前社を選びます。
ご想像通り、前社はキャノン、後社はニコンをイメージしています。
ニコンを選ぶ理由は無いです。

 

市場が十分に大きければそれでも良いでしょう。
しかし、市場がシュリンクしている今の状況でこの道を選ぶのは得策とは思えません。
しかも、死ぬほど商品企画力がないニコンがやれる理由はありません。

この路線で行けば、ニコンは5年後には存在しないと思います。
もし、存在しても今のニコンとは完全に別物のニッチ向けの小さなカメラメーカーでしょうか。
私は全く興味ありません。

 

大幅赤字で資金がない為、苦し紛れの答弁なのでしょうがニコンには未来が無いということでしょう。
このまま行けば、キャノン、ソニーの二強時代に入ります。

 

ニコンの苦悩

ニコンの最大の弱点は、商品企画力が非常に弱いことです。
これは、もう昔からのことで解決するのは絶望的と思います。

ミラーレスの遅れの挽回には、大きな開発リソースやお金が必要ですが、残念ながら、今のニコンには解がありません。

ニコンの基幹事業はカメラ事業。
基幹事業で大きな赤字を出した場合、赤字を補填する部門は存在しません。
当然リストラの塊になります。そうなると投資が非常に限られてくるはずです。
その中でどうやってキャッチアップするかというのは非常に困難です。
ジリ貧まらの脱却は難しいのです。

 

もし、あるとすれば、選択と集中でしょう。
レンズの自社開発は大幅に絞り、Zマウントをサードパーティレンズメーカー(シグマ、タムロン)に公開して、レンズラインアップを作ってもらう。
自社は大きくカメラ本体開発に注力する。
ニコンのミラーレスはサードパーティ製のレンズを正式には認めていません。

会社が潰れそうな今そんなことにこだわっている場合ではないと思います。
部外者の私にはレンズやカメラ本体に対する投資規模が分かりません。
しかし、まともなコンサルタントにでも相談したらどうでしょうか?


何か大きく正しい方向に方針を変えないとニコンは潰れます。
時間の問題と思います。

本当は一眼レフの残存者利益を得て、その収益をミラーレスに投入してそこでも勝つということで、守りながら攻めるっていうことをやるべきだったのですが、タイミングを見誤りました。
人間は楽な道選びたいのです。
一生懸命残存者利益の回収に走り、結果的にミラーレス開発を適当にやり過ごしたツケです。
自業自得は仕方無いと思います。

更に市場のシュリンク、コロナ影響が続くともはや手が打てないと思います。
決断は早い方が効果的です。
遅くなると余計お金が必要になります。


ニコンは三菱グループの会社です。三菱グループから大きな投資をして再建するのか、時間を掛けて事業収束するのかを決めるべきです。
そのタイミングは今と思います。

 

2021年4月1日追記
3月決算の予想です。
思った通り惨憺なる内容です。
少し転記します。

”ニコンの2021年3月期の連結決算(国際会計基準)の予想は、売上高にあたる売上収益が前期比24%減の4500億円、営業損益が650億円の赤字(前期は67億円の黒字)、最終損益が420億円の赤字(同76億円の黒字)と、過去最悪になるとしている。“www.excite.co.jp

主幹の5200億円あったカメラなどの映像事業の売上収益が、5年間で1,450億円に激しく落ち込む結果です。
どこがボトムか分かりませんね。

 

暗いニュースの中、明るい開発モデルの話が出てきました。
かねてから噂のZ9。プロ用のミラーレスフラッグシップモデルです。
絶対の壊れない信頼性、高速動作を兼ね備えてプロ用のモデルです。
ソニーがα1を投入し、ニコンの既存顧客にアプローチする中、乗り換え阻止の為の
発表と私は見ます。

www.gizmodo.jp

個人的には、ソニーはコンシューマ、プロシューマ向けを狙うべきです。
ソニーの感覚でプロモデルに手を出すと火傷すると思います。
実力は気にしない、カタログスペック番長はリアルなプロにはそうでしょうか?

ニコンのフラッグシップからの乗り換え先はキャノン一択と思いますが、キャノンからはまだミラーレスフラッグシップの発表はありません。
ニコンの将来に大きく影響するであろうZ9は年内の投入の様です。
情報の更新を待ちたいと思います。

 

 

私は、ニコン向け機材の購入はもう止めます。決心出来ました。

 

参考までに以前の記事です。

 

www.fukuokajokei.com

 

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