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これはビックリ! シカゴ美術館訪問録


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全米第2の都市シカゴ そこにあるシカゴ美術館
予想を300%裏切られました!
簡単に紹介したい思います。

 

いつもの写真と離れて今日は美術館です。(笑)
元々写真撮影を始める前は絵画鑑賞によく美術館を訪れたものです。今回は折角の機会ですので、超特急でシカゴ美術館を見て回りました。3時間弱です。(笑)


正直な所、最低1日は掛けてゆっくりと見たいものです。
土曜日の午後ですが、混んでなく、日本の美術館の様に人込みに並ぶ必要はありません。結構マイペースで鑑賞できます。
とにかく広いので混みようがないのでしょう。(笑)

 

欧米の美術館はフラッシュをたかなければ、写真撮影OKです。
ここシカゴ美術館は、どうもSNS等もOKでOPENは美術館らしいです。

もっと驚くことは、公式サイトから所蔵作品の画像データを無料でダウンロード可能で、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC0となっています。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスによると
「CC0 とは、科学者や教育関係者、アーティスト、その他の著作権保護コンテンツの作者・所有者が、著作権による利益を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置くことを可能にするものです。CC0によって、他の人たちは、著作権による制限を受けないで、自由に、作品に機能を追加し、拡張し、再利用することができるようになります。

creativecommons.jp

 

何とも太っ腹です。アートは飾り物ではなく、身近な所で感じるものと思います。巨大美術館が率先していく姿勢には好感が持てます!


下の公式リンクで作品を選びダウンロード可能です。
対象となっている作品のみダウンロードの表示が現れます。

www.artic.edu

 

 

シカゴ美術館入場料は$25。お安く無いと思いましたが、展示作品を見た結果。「これはバーゲンプライス!」と感じました。

日本の某足立美術館等も近い金額の入場料ですが、横山大観さんには申し訳ないですが、展示作品の質と量が全く違う桁違いです。一桁じゃない印象ですよ。。。

シカゴ美術館のリンクです。日本語です。

www.artic.edu

 

 

私の拙い解説で少しだけ作品を鑑賞してみましょう。(笑)
所蔵点数が多く、とにかく広いです。圧倒的です!
トップレベルの作品がこれでもかと並んでいます。圧倒的です!
3つのウイングに分かれており、意識しないと見ずに出てしまいそうです。

 

 

トップと下の写真は
スーラ 「グランド・ジャット島の日曜日の午後」
超有名な作品ですね。シカゴ美術館の代表作品です。
作品のすぐそばに寄って鑑賞できます。無粋な立ち禁止のマークなんてありません。(笑)

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スーラは後期印象派の代表として語られますが、色彩理論に基づいた点描派として知られています。近寄って見ると小さな点で画面が構成されています。人の配置も考え抜かれています。

印象派というとモネの「印象・日の出」の様に大胆で荒いタッチのイメージがありますが、印象派は確かに感じた印象を表現していますが、考え抜かれた構図で表現されています。技術や構想に裏付けられた表現です。

 

次はモネの「プールヴィルの断崖の上の散歩」です。こんなハイレベルの作品が次から次に続きます。
シカゴ美術館は印象派のコレクションが有名です。 

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同じくモネの「Houses of Parliament,」

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セザンヌ「The Basket of Apples」
印象派とは少し違うと思うのですが、セザンヌの絵は不思議です。
ものの形が歪です。
当時の画家の課題は「いかにして3次元である物体を二次元のキャンバスの中で表現するか?」だっとのです。色々なアプローチがあり、上からの視線と横からの視点を組み合わせた様な表現となっています。ピカソのキュビズム(絵を立方体で描く表現)もそのアプローチの一つです。

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印象派で名前を聞く作家の作品が揃っており、しかも秀作揃いです。
圧倒的です! 

  

 

次は印象派を離れて
モロー「ヘラクレスとレルネー沼のヒュドラ」
モローは緻密で神秘的な水彩画で有名です。この絵は油彩ですが、ますます深いです。
写真撮りが言うことではないですが、この微妙な色彩とタッチをカメラで撮影しても写真では十分には表現できないですね。色が出ません。 

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ピカソ「海辺の母と子」

ピカソはその時代と共に大きく作風を変えて行きます。
青の時代から始まり、バラの時代、キュビズム、新古典主義、シュルレアリスム。これは新古典主義の頃の作品です。
ピカソは、何だかアバンギャルドなイメージが強いかも知れませんが、そんなことはありません。
10代の頃には、誰も真似が出来ない程優れた描写力を誇っていたそうです。それから、自身の表現探しの旅が始まります。
絵が上手いなんてことは、画家には必要ではありません。自分の追い求めるスタイルを確立することしか眼中にないのです。

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クレー「断片のある静物」
モダンアートで具象と抽象の狭間の様な作品です。 

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カンディスキー

この作品も具象から抽象へ移行する段階の作品。
キャンバスの上で音楽を奏でるような作品です。
「何で音楽は自由なのに絵画は見たままを書かなければいけないんだ」そういう意思を込めた作品です。

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モンドリアン「Composition(No.1)Gray-Red」

もはや完全に抽象の世界に行ってしまいました。欧州の合理主義の終着はミニマリズムになるのかと思います。

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上の作品を見られて気付くか分かりませんが、簡単にモダンアートの流れをまとめてみます。

印象派以前の絵画は、「リンゴは赤色でこう書くべし」と決められた枠の中で絵を書くことが求められていました。題材は宗教画か高貴な人の肖像画、それ以外は否定されていました。

 

そこに叛旗を翻したのが、印象派。
印象派は目に見えるもの(風景)を感じたままに表現に表現。「リンゴはいつも真っ赤」等というルールを壊しました。


次の世代のモダンアートは、自分の内面に目を向けます。
自分の内面を絵画として表現します。ピカソの絵画を見ればよくわかりますね。そこに何があるかは重要ではなく、自身の内面を描く為のモチーフに過ぎません。人それぞれが異なる思いを持ち、多彩な表現が花咲くこととなります。


結果、見たものを描かない絵画(抽象絵画)、立体物を貼り付けた絵画などが現れて行きます。

 

分かりやすく極端に書きましたが、そんなイメージでしょう。(笑)
人間の自我の目覚めがアートを大きく変えて行きました。
こんなことを少しだけ知った上で絵画をみたら、もっと楽しめると思いますよ。

 

少し脱線しました。(笑)
印象派コレクションも素晴らしいのですが、モダンアートも本当に充実しています。ハイレベルの作品が数多くあります。
美術書に掲載されている有名な作品が沢山あります。圧倒的です!

 

アメリカに来たらやはりアメリカンアート。
私はポップアートよりはアメリカンリアリズムが好きなので、少しだけアメリカンリアリズム。

私としては、やはりオキーフですね。(笑)

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 シンプルで力強いですね。生命を感じさせられます。

 ちなみにポップアートも質・量共に充実しています。

 

  

私の専門外なのですが、この他に中世ヨーロッパ絵画(宗教画や王侯貴族の絵画)も凄く充実していました。
迷路の様に作品が展示してあり、迷い込んで抜け出すのに苦労しました。
好きな方にはたまらないでしょう。(笑)

 

 

シカゴ美術館 予想を遥かに超えた素晴らしいコレクションです。
見た作品のごく一部を紹介しました。とても全ては撮影しきれない、解説できない世界です。(笑)

お近くに行く機会ありました、是非じっくり時間を取って訪問してみてはいかがでしょうか?
残念ながら、質・量共に日本には比較対象となる美術館はありません。

では!

 

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